メナムの濁流 - 鬼島紘一
トートツですが、写真で綴る名著の旅…新コーナー【萌えタイ文庫】であります。
遠い昔、原作小説の版元が映画の配給と併せて、“読んでから見るか、見てから読むか”という名コピーを世に送り出しました。
ま、それとココロは同じでして、ワタクシの場合は、“(現場に)行ってから読むか、読んでから行くか”なのであります。
第1回目は『メナムの濁流』です。
タイ関連の、あるいはタイやバンコクを舞台にした書物はあるようで、ない。
まず、ガイドブックを除いて考えますと、“ある”というのは旅行記や滞在記、さらには風俗関連の体験記など。
これらを書店で見つけるのはさほど難しくありません。
一方、“ない”というのは…あくまでも見つけにくいという点においてです。
個々の書店の陳列方法やポリシーにも依るのですが、
・ タイ関連の書籍はまとめて「アジア」とか「海外」の棚にドン!
・ ちょっとでもタイ語の解説が載ってると「語学」の棚にサクッ!
・ タイの屋台料理の本が「今日のおかず」の隣にあったりィ…orz
とまぁ、ようは散らばっちゃってるケースが多いからなのです。
しかし、タイ関連の書物には隠れた名著・名作が多いのも事実。
単にワタクシがタイ好きだからヒトより余計に感激しているのかも知れない、というモットモなご指摘はさておき、みなさまもそうした作品に触れ、ぜひともウルウルしちゃってください。
さて、本題。(←遠い道のりでしたぁ)
タイのことをマッタク知らない方が「メナム」と聞いてもピンと来ないでしょう、編集者もそれを見越してか「国際謀略企業小説」なるサブタイトルを付けておりますが、これはイカン。
ワタクシにすれば、『メナムの濁流』は泣ける、萌える、純な恋愛小説なのであります。
で、本書は一度でもバンコクを旅したことがある方、パックツアーでOKですから、王宮周辺やチャオプラヤのボートを楽しんじゃった人にオススメです。
バンコクを訪れた際のあのシーン、あのスポットがリアルによみがえってくることでしょう。
そのうえ、(本書では一応“ノンフィクション”と断っていますが)クーデターが繰り返される政情、権力をむさぼる軍部、官僚のみならず民間にもはびこる汚職の構図…などなど、こんにちに至るタイの内情がホントによく記されているのです。
ワタクシとて、“ネタばれ”は本意ではありませんので、この辺にしておきますが、
“ああ、ここで○○があったンだなぁ…見た目は平和なこんなところでもう”
なんて、ウォンウォン泣きながらシャッターを切っておりましたところ…
…クルマにひかれそうになりました、みなさまも感情移入はそこそこに。
ところで…。
本書を読み進めていきますと、タイトルの『メナムの濁流』はドコへ行ったんだぁ?と思うくらい、ストーリーの展開にのめり込んでしまいます。
ところがドッコイ! タイトルはやっぱり『メナムの濁流』なのであります。
しつこいのは百も承知、でも、やっぱりタイトルは『メナムの濁流』しか、あり得ないのでございます。
ああ、もうこれ以上は言えない、書けない…あとはみなさまの好奇心にお任せします。
【萌えタイ文庫・1冊目】
・ 『メナムの濁流 - 国際謀略企業小説』
・ 鬼島紘一著
・ 双葉文庫刊