最大75年!? 不敬罪の現実
「初老」とは本来40歳の異称だそうですが、現代では平均寿命も延びたためか、60歳前後の人を指すそうです。
Yahoo! Asia News (AFP)に写真付きで掲載されたスイス人男性が57歳であることを知り、調べてみたのですが、この初老の男性に最大で75年の懲役が科せられるかも知れません。
舞台はタイの首都バンコクから約700km離れた北部チェンマイ。
酒に酔った件の男性がスプレー式塗料を用い、よりによってプミポン国王の肖像画に落書きしたというもの。
タイに少々お詳しい方ならお気づきでしょう。言うまでもなく、これは「不敬罪 - lese majeste」です。
このスイス人男性は、他に公共財産破壊など、合わせて5つの罪で起訴されており、最大で75年の懲役を言い渡される可能性があります。
このYahoo! Asia News (AFP)の記事、我々外国人が心に留めておくべき王室を取り巻く“環境”を、実に端的に提示しています。
まず、時期的な問題。
昨年6月の在位60周年式典 - 7月の国王の手術 - 9月のクーデター等々、タイ全体が国王、王室、ひいては後継者に関する話題に至るまで、極めて敏感な時期に重なってしまった、ということ。
続いて、タイの官吏に関する問題。
プミポン国王ご自身は、2005年のご生誕日に、
"I can be criticised that sometimes I might be wrong, so that I will know I am wrong. If they criticise me that I am wrong, I'd like to know where it is that I am wrong,"
(意訳:私が批判されたり、間違っていることがあれば、知りたいと思います)
とスピーチされているにもかかわらず、今でもウェブサイト等のコンテンツに検閲があることを、過去の他の事例を踏まえて半ば批判的に例示していることです。
上記スピーチの引用は、自由な取材・報道活動を担保するためのもの、という狙いが見受けられますが、その一方で、
「いくら何でも見せしめじゃねーの?」
という(タイから見た)海外メディアの憤りが伝わってくるのです。
同様の思いは、タイの長期滞在あるいは駐在員の方々の間にも少なからずある、と思いますが、
「タイなんてそんなもんだよ」
で終わってしまう話題であろうことも、同様に事実。
もうすぐ4月。日本的に考えれば、就職、転勤等、これからタイを目指される方も多い時期かと思います。
「不敬罪」...ホントに冗談ですまされません。タイでの生活に慣れ始めた頃がヤバイ、と思います。
どうか、お気を付けください。
■出典:Yahoo! Asia News (AFP)・Swiss man faces prison for insulting Thai king
